2001年8月に設立。「賛美歌」に関心を持つ会員(超教派)が、音楽・言語・神学等の幅広い視点からの学びや研究、海外の新しい賛美歌の紹介、創作活動、情報交換などを行っている。
現在のおもな活動は以下のとおり。
【年度大会】
毎年9~11月頃に開催、講師による主題講演、発題、会員による研究発表、その他プログラムで構成される。また開催にあわせて翻訳・創作賛美歌などを歌集に纏め発表している。
3年に一度は、海外から講師を招聘、海外との情報交換の場にもなっている。
【紀要刊行】
大会講演録、会員より募集した研究論文、書評などを掲載。全会員に配布。第7号(2016年)までは隔年で発行。第8号からは毎年発行の予定。
【支部活動】
支部ごとの主催で、例会またはイベントを行う(不定期)。
【ニュースレター刊行】
年に2回程度発行し、全会員に配布。大会関連(案内、講師・プログラムの紹介、事後の報告等)、支部活動関連(告知、事後の報告等)、会員活動報告、投稿記事その他で構成される。
会員数 約150名(2024年1月31日現在)。
組織
■会長 : 江原美歌子
■副会長 : 宮越俊光、山本美紀
■運営委員:
荒瀬牧彦、内海由美子、浦上 充、小栗 献、小澤周平、高浪晋一、宮﨑 光、吉岡光人
■支部代表
北海道支部 :小林令子 / 東北支部 :竹佐古真希 / 北信越支部 :北川千恵
関東支部 :高浪晋一 ・ 浦上 充 / 中部支部 :泉川道子 / 関西支部 :小栗献 ・ 善沢志麻
中国・四国支部 :大代恵 ・ 中村証二 / 九州支部 :青木麻里子 / 沖縄支部 :砂川治子
■顧問 : 北村宗次、横坂康彦
事務局 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-19 日本基督教団吉祥寺教会内
日本賛美歌学会 設立趣意書
「讃美歌21」の出版と前後し、さまざまな教派の歌集改訂が進むなど 近年、賛美歌に対する関心が高まって参りました。日本では、賛美歌の研究は以前から個人のレベルで行われることが多く、それぞれに大きな成果が積み重ねられてきました。ところが近年は、 海外から講師を招いた研究会や講習会等が開かれ、ドイツEGの編集に 携わったアヒム・ギーリング氏やユルゲン・ヘンキース氏、 アメリカの賛美歌作家ブライアン・レイ氏、またアイオナ共同体の ジョン・ベル氏などを招いて、現代の賛美歌の世界的な潮流について 学ぶ機会も設けられてきました。また、アメリカ・カナダ賛美歌学会や、ヨーロッパに本拠を置く 国際賛美歌学会等との交流も増えており、日本でも賛美歌に関する学会組織を 立ち上げようとする機運は熟してきていると思われます。
賛美歌の研究内容は、神学・言語学・音楽などそれぞれ独自の専門性が要求される 分野に跨っており、その方法論も多様です。そこで期も熟してきたこの折、「日本賛美歌学会」を設立して本格的な賛美歌研究に取り組むことを ここに提案する次第です。この学会では、教派に関係なく、賛美歌に関する 定例研究会や講演会を開いて賛美歌研究を深め、研究紀要を発行し、また 諸外国の国際学会等とも積極的に交流していくことを目的としています。つきましてはこの会の趣旨にご賛同くださり、積極的なご加入またご支援など いただければ幸いです。
2001年5月1日
設立発起人
代表:北村宗次 /荒瀬牧彦、飯靖子、今橋朗、川端純四郎、越川弘英、佐伯幸雄、茂洋、志村拓生、スコット・ショウ、鈴木隆太、高戸要、高浪晋一、徳善義和、中村義治、原恵、古澤嘉生、松本正俊、森紀旦、安田吉三郎、山内一郎、横坂康彦、吉岡光人(以上 五十音順)
沿革
『讃美歌21』の編集作業が進むと共に、明治版『讃美歌』以降の歴史的変遷 について、また世界の現代賛美歌に対する強い関心が多方面から起こってきた。
1994年はそれらが形となって現れた年であり、明治版『讃美歌』出版90周年記 念賛美歌学研究会(2月7日・日本基督教団早稲田教会)、現行『讃美歌』 (1954)出版40周年記念賛美歌学研究会(8月19日・日本基督教団霊南坂教会) などが持たれた。また同年8月にはEvangelisches Gesangbuch(1993)の編集 に携わったアヒム・ギーリング氏が来日し、全国数ヶ所でこの歌集改訂の背景 について講演し、賛美歌に関して大きな関心が寄せられる契機となった。賛美 歌に関する継続的、本格的な研究組織を望む声は上がったものの、『讃美歌 21』の編集作業が佳境に入るに伴い、組織立ち上げは実現しなかった。
しかし、この時に蒔かれた種は下地となって生き続け、その後、数回の賛美 歌学研究会が持たれるに至った。また、ブライアン・レン氏やジョン・ベル氏 など海外の賛美歌作家たちが日本基督教団出版局の招きで来日し、諸外国にお ける現代の賛美歌事情が日本にも紹介されるようになったと同時に、アメリカ ・カナダ賛美歌学会や国際賛美歌学会などとの交流が行われるようになり、海外の組織との連携も深まるようになった。
2000年に入って賛美歌に関する継続的、本格的な研究組織を望む声が再び起こり、 準備のための第1回発起人会(6月5日・日本基督教会館)が持たれた。ここでは 以前から存在しながら現在では活動が停止している「日本讃美歌学会」との兼ね 合いが協議され、竹内信氏未亡人の許可を得て会の名称を引き継ぐことになった。 事業としては、1.研究会、2.講演会、3.研修会などと共に、4.国際交流を積極的 に進めることが話し合われ、超教派の組織として広く呼びかけることを決議した。 また、設立準備室を新潟大学教育人間科学部芸術環境講座音楽学研究室に置く こととした。
第2回発起人会(10月21日・日本基督教団横浜指路教会)では、多くの発起人が 得られたことが報告され、学会のための研究会の段取りが話し合われた。また、 専門家だけでなく賛美歌愛好家も入会できるよう緩やかな規定にすること、地 方の支部活動を盛んにすることなどが話し合われた。この会では原 恵発起人 とユンゲル・ヘンキース氏の講演がなされた。
第3回発起人会(2001年2月6日・日本基督教団吉祥寺教会)では、学会の立ち上 げを2001年8月にすることを決め、そのための会則検討、活動資金調達などにつ いて話し合われた。また礼拝研究会などを通して若い研究者たちに積極的に働 きかける旨も確認された。この折に第5回賛美歌学研究会を開催。日本聖公会聖 歌集改訂委員の鈴木隆太氏による聖歌集改訂の現状報告、またザルツブルク・ フランツィスカーナ教会音楽監督・オルガニスト、ベルンハルト・グフレラー 氏によるゴッテス・ロープについての講演がなされた。
第4回発起人会(6月18日・日本基督教団吉祥寺教会)では、継続審議とな っていた会則の原案が作られ、設立の日程、各支部の責任者の推薦、紀要やニ ュースレターの発行についての詳細が話し合われた。また2002年8月には アメリカ・カナダ賛美歌学会総監事のカール・ダゥ氏を招き、「聖書と賛美歌」 をテーマとして年度総会を開くこととした。これに関連し、各支部での今年1 年の活動もこれをテーマとすることにした。その後、第6回賛美歌学研究会 を開催。テーマを「子どもとともに歌う賛美歌」に設定し、横坂康彦発起人の 研究発表と高浪晋一発起人の講演を行った。そして2001年8月31日、設 立総会を迎えている。